― 海の世界で描かれる、わたしたちの“居場所”の物語 ―
本を開いた瞬間、
まず目を奪われるのはその世界観。
ゆらゆら揺れる海。泡がふわっと浮かび、珊瑚や魚たちが静かにそこにいる。
『さみしい夜にはペンを持て』(古賀史健/ポプラ社)。
これはただの“日記のすすめ”の本ではない。
海の生き物たちを通して、わたしたちが生きる世界の空気を、やわらかく、でも確実に描き出す物語だ。
海の中の「学校カースト」
読んでいて、何度も思った。
「あれ、これ…人間界の話だよね?」
強い魚。
目立つ魚。
群れる魚。
どこにも属せない魚。
はっきりとは言わない。
でも確かにある“空気”。
学校にいるとき、
なんとなく決まってしまう立ち位置。
中心にいる子。
その周りにいる子。
そして、ちょっと距離のある子。
その繊細な関係性を、
海の生き物で描いてしまうセンスが本当に秀逸だと思った。
だから重くなりすぎない。
でも、ちゃんと刺さる。
「こういうこと、あるよね」
って、静かに胸に落ちる。
さみしい夜に、なぜ“ペン”なのか
この本が伝えてくれるのは、
“自分を物語の主人公にしていい”
というメッセージ。
誰かに評価される人生じゃなくて、自分の目で見た世界を、自分の言葉で残していくこと。
私は日記を24年続けている。誰に見せるわけでもない。
フォロワーが増えるわけでもない。バズるわけでもない。
でも、
「おばあちゃんになったら読み返そう」って本気で楽しみにしている(笑)
あのとき泣いていた私も。
必死だった私も。
怒っていた私も。
全部、ちゃんと主人公だったんだなって思える日がくる。
この本は、その未来の種をくれる。
スローモーションで書くということ
本の中には「スローモーションを意識して書いてみる」という話が出てくる。
これが本当にいい。
たとえば――
「今日は嫌なことがあった」
で終わらせるのではなく、
そのときの空気の重さ。
教室の匂い。
相手の声のトーン。
自分の手の温度。
時間をゆっくりにして書いてみる。
まるで映画のワンシーンみたいに。
そうすると、不思議なことが起きる。
出来事そのものよりも、
「そのときの自分」が見えてくる。
悲しかった。
でも、本当は悔しかった。
いや、もしかしたら怖かったのかもしれない。
スローモーションで書くと、感情が輪郭を持ち始める。
インサイド・ヘッドを観た人におすすめの書き方
ここで、私が個人的におすすめしたいことがある。
映画『インサイド・ヘッド』を観た人は、
それぞれの“感情のキャラクター”を書いてみるのも、
すごく面白いと思う。
ヨロコビ。
カナシミ。
イカリ。
ビビリ。
ムカムカ。
あのキャラクターたちが、
自分の中で会議をしているとしたら?
今日の出来事に対して、
ヨロコビは何て言ってる?
カナシミは?
イカリは暴れてる?
ビビリは縮こまってる?
そうやって書いてみると、
「私はダメだ」じゃなくて、
「今、イカリが大騒ぎしてるな」
って、一歩引いて見られる。
感情と自分を切り離せる。
これは、子どもにもすごくいいと思う。
「なんで怒るの!」じゃなくて、
「今、イカリくんが出てきてるね」って言えたら。
世界は少しやさしくなる。
物語の主人公は、自分
学校のカーストのような世界の中で、
人は簡単に脇役になってしまう。
誰かの評価。
誰かの言葉。
誰かの視線。
でも、この本は静かに言う。
“あなたは主人公でいい”
と。
海の中で、小さな存在でも。
群れに入れなくても。
目立たなくても。
主人公は、自分で決めていい。
そのために、ペンを持つ。
アニメ化してほしい理由
本気で思う。
これ、アニメ化してほしい。
あの繊細な海の世界が動いたら、絶対にすごい。
泡の音。
水のゆらぎ。
静かな音楽。
言葉で説明しなくても、きっと若い世代に伝わる。
説教じゃない。押しつけでもない。
ただ、
「ここにいていいよ」って
物語で伝えてくれる。
そんな作品。
さみしい夜がきたら
スマホを開く前に。
誰かの投稿を見る前に。
ペンを持ってみる。
スローモーションで。
感情のキャラクターたちと一緒に。
そうやって書いた1ページは、
未来の自分への手紙になる。
私が24年分(もっともっと増えるだろう)の日記をいつかおばあちゃんになって読み返すように。
あの日の自分を、ちゃんと主人公として迎えにいけるように。
さみしい夜には、ペンを持て。
それはきっと、
自分の物語を始める合図なのだと思う。
おかげさまでベストセラー!
「ちゃんとしなきゃ」「私が我慢すればいい」
そんな呪いから、解放されませんか?
不登校・発達特性のある双子を育て、疲弊していた私が、"普通の子育て"を手放したら、人生が動き出した。
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