この章はとても重要なので、時間をかけていきましょう。
1⃣子育て中の怒りっぽさの原因は?
最初に脳にもクセがあるということをお話したいと思います。
私達は大事にしている我が子を叱ったりしてしまうことが多々あります。
それはなぜでしょうか?
それは、実は脳の古い回路のせいでもあります。はるか昔、厳しい生存競争を勝ち抜くために、人間の脳はパターンを読み取る能力が発達しました。
進化の大部分を通して、私達はちょっとしたパターンの乱れを素早く読み取ることで生き残ってきました。
たとえば…
・草がちょっと揺れたら、捕食者が隠れているかもしれない
・焚火を囲む部族の中で一人だけ笑っていなかったあの男はうまく紛れ込んだ敵かもしれない
など、危険が迫っているサインか弱点のサインを読み取らなければ私達の祖先は不利な立場に陥っていたのです。
ですので、このような脳のパターンを獲得したのですね。
このように『基準から外れた特徴』に注目する原始的な脳の配線が現代も私達の脳には残っているのです。
我が子が他の子と違う行動をしている、違う言葉を発しているなど、私達の原始的な能力が残っているからこそ気づくのです。この能力は危機に瀕した際に大いに役立ちます。以前も触れましたが、この能力はリスク管理にとても役立ちます。
とはいえ、現代は生命の危機にさらされることはほとんどありません。
ネガティブに注目することで祖先たちは生き延びてきましたが、現代はポジティブな特徴に注目することで、豊かな暮らしを手に入れると言った方がよいでしょう。
私達の怒りには『脳の古い回路のせい』でもあり、アドラーの心理学でいう『課題の分離ができているか?』という2つの理由があるのではないかと私は思います。
怒りという道具を使って、子どもを自分の思うがままに従わせたいという欲求があるのではないかと自省してみましょう。
昔ながらの脳のクセがあると認識していただくこと、そして、課題の分離をして、親の課題にだけ目を向けていれば解決するものがはっきりしてくるでしょう。
2⃣課題の分離ワーク
2⃣‐①帰宅後、または、朝起きてから、または、就寝前をビデオに撮りましょう。(または、何をしたかどう発言したか記録しましょう)
数日間自分と子供の行動を観察してみてほしいと思います。
まずは、ビデオを撮り、事実をそのまま書き出します。
帰宅後には、手を洗ってうがいをして、必要なら着替えをして、その後何してますか?
朝起きてから、子供に〇〇しなさい~など指示をしていますか?
就寝前にトイレ行ったの?歯磨きしたの?などの指示をしていますか?
同時に子供はどんな動きをしていますか?
だいたい10~15分ぐらい自分と子供を観察しましょう。
どのタイミングで、自分がイライラするのか怒ってしまうのかを把握するのです。
☆出来事は、誰の課題であるか?(ママがやっている事はママがやるべきことか?)
この3つの時間にしたのは、私がイライラしやすい時間だったからです。
もしも、この時間帯はイライラしないなと思ったら、他にイライラしやすい時間帯でやってみましょう。
以下の2つがビデオに収まるとより分析しやすくなるので、ぜひ、この瞬間があるようにビデオカメラをぜひセットしてみてください。
1、自分がイライラした瞬間が撮れているか?
2、子どもがパニックや癇癪などを起こした瞬間が撮れているか?
実例紹介
以前、我が長女がツバを吐くのがブームになっていました。いたる所にツバを吐くので、制止してもなかなかやめられない事がありました。
アドラー式に考えてみましょう。
ツバを吐き続けて困るのは誰でしょう?
そう、ここでも子供です。
将来、一人暮らしをすると想定します。
ツバを掃除もせずにそのまま放置した場合、異臭だらけの部屋で過ごすことになるのは、子供です。
ですので、これも子供の課題です。
しかし、この時点では子どもはこれを問題として考えていないので、子供の課題にはなりません。
親(私)の課題は、『私は、この行為を見ていると嫌な感じがする。掃除しなければならない』ということです。
現時点では、親の課題のみということになります。
共同課題にできるかどうか?
対決のアイメッセージだけでやめてくれる場合もあるでしょう。
もしかしたら、ABAの消去と言う方法で、その行為自体を無視し続け、他の事象で褒め続けたことで、その行為がなくなる場合もあるでしょう。その場合は『親に注目が欲しかった』ということになりますが、もしも、それ以外の目的で行動していた場合、無視することでその行動が増える可能性もあります。
どちらにせよ、一度は共同課題にして、話し合いましょう。
〇〇ちゃん、ツバを吐くことについてお話してもいい?
うん
ママは、ツバを吐いている所を見るのはとても嫌~な感じがします。
なんか口の中が辛い感じがしちゃって…
そうなんだ、口の中が辛い感じがするんだね。できれば、トイレでやってもらえると嬉しいな。
何度かそのようなやり取りをして、その都度『トイレでね~』と声をかけるようになると、トイレで吐くようになりました。
外出している時は、『ティッシュを使うといいと思うよ。』というと、自分からティッシュを探し始めました。
不適切な行動も、望ましい行動を『ママは〇と感じるよ』と伝えることで自分から正すこともできるんだと学びました。
そして、何より子供は『自分には、違う方法があり、それを実行する能力がある』『ママは、仲間だ』という意識が生まれたのではないかなと思います。
私がここで『やめなさい!』とか『なんでそんなことするの?』と言っていたら、極端ですが、『私はダメなやつだ』『ママは、私がやりたいこと全て反対するんだ…。敵だ。』となっていたでしょう。
(私も最初から、こんなにうまく対話ができたわけではありません…^^;最初はめちゃくちゃ怒鳴ったりしてました~。でも、少しずつ知識を得て、自分のことに落とし込むことで、すこーし怒りが収まってきました。)
共同課題にできない場合は?
もしも、私が行った勇気づけで、子どもが行動を変えなかったとしたら、それは、障害があるために理解できない・まだそこまでの理解力がない・または共同課題ではなく親の課題だけであった(共同課題にできなかった)と考えます。
その場合は、さきほどの図でいうと
『機械に頼れるか?』→当てはまりません。
『事前準備で解決できるか?』→たとえば、ツバを吐きそうな所に、【ツバはトイレに】などの文字や絵の張り紙をやることで勇気付けができる可能性もありますので、試してみる価値はありそうですね。
それでも行為が止まらない場合…
この場合は、自然の結末に任せられない(外でやった時に、自分に結末が返ってこない)ので、常にティッシュを持ち歩き私が拭いてあげるという選択肢になるでしょう。なるべく環境調整するという選択肢になります。
将来的にも援助が必要だという結論に至るので、サポートブックにはそのように記載すべきでしょう。そして、自宅以外での支援を受ける際には、母と同じような対応をしてもらう必要があることを認識しておいてください。
少し話は逸れますが…知的障害がどの程度で、どのぐらい自立するのか?不安に思ったことはないでしょうか?
IQ50-70の軽度であれば、身辺自立は可能です。家事や金銭管理に支援が必要になります。
IQ36-50の中等度であれば、支援を受けながら、身辺自立が可能です。
IQ35以下の重度であれば、生活全般に支援が必要です。
もちろん、発達障害やその他の疾患などのの合併具合でも変わります。
小学校低学年ぐらいに取った知的機能検査の結果で、おおよそこの程度できるようになるというのがわかります。
たとえば、軽度の場合、身辺自立は可能な場合が多いのです。
ですので、今、洋服が着られなくても、ボタンができなくても、いつかはできるようになる可能性が高いです。
中度の場合でも、支援があればできるようになるのです。
どのような支援が必要かを子ども時代、長い時間をかけて見極めればよいのです。
将来を見据えることができれば、焦ることがなくなるのではないでしょうか。
2⃣ー②イライラしてしまうタイミングをパターン化してみよう
ビデオをよく見てみてください。イライラした状況は以下に当てはまりませんか?
1、排卵、生理前後
2、寝不足
3、空腹
4、気が散っている(事前に他の事でイライラしていた)
たとえば、子供(兄)の学校でのトラブルを考えている時に、子供(弟)がお茶を溢したというシチュエーションを考えましょう。普段なら、『タオルで拭いてね~』と言えるのに、頭の中でトラブルを抱えていたので『んもー何してんのよ~』という態度になってしまう…。頭の中で気が散っている状態になると、イライラしやすくなるのです。
1章のシングルタスカーをぜひここでも思い出してください^^
5、1つ集中し終えた後。
たとえば、何か集中していたとします。私達主婦で言えば、家事を1つやり終えるとしましょう。ふ~疲れた~とソファに座ると同時に、子供が何かやらかすと…どうでしょう?一気に、ストレスレベルが高くなりますよね??
私は、なるべく1、2、3のイライラを排除するために、子供のお迎え前ギリギリに食事を取ったり、睡眠時間も生理周期に合わせて、多めに取ったりするようにしています。これも、勇気づけの土台になると思っているので、欠かさないようにしています。
↑これを見て、基礎体温をつけ始めた方もいらっしゃいました。とても重要ですよね。
ビデオを取ってみて、気づいたことを私にLINEしてください(^^♪
《余裕がある方は…》
2⃣ー③ビデオの自撮りと文字化したあとに考えてみよう
子供がいない時間にあなたは何をしていますか?
子供を幼稚園に送った後や自分が1人になった時、自分自身をビデオに取ってみてください。
第一章で掲げたやりたいことに向けて、笑顔の自分が映っていますか?(一人で笑っているのもおかしいですが(笑))
厳しく採点することはありません。自分の幸せに向けて、やりたいことを楽しんでいるか?という視点で見ていきましょう。
ダラダラとSNSを開いたり、テレビをつけてみたりしていませんか?
SNSやテレビがあなたの幸せで、あなたの掲げた目標を達成するために必要なことならば、実行しましょう。
しかし、それ以外の理由でそれらを見るのは極力控えていきましょう。
ビデオの自撮りを利用して、自分は何分フリータイムあれば心が満たされるのか?
自分がご機嫌になれるのかを把握してみましょう。
自分のご機嫌は、自分で責任持って取るのです。
その何分をどうやって作るかを考えるのが次の段階です。
*ビデオや書き留めるなど、負担だー!って方は、少し余裕が出てきたら実施すればよいので、頭に入れるだけでOKです!!
時間管理マトリクスをやってみよう☆
こちらは、希望制です。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。7つの習慣という本の中で、このような時間管理マトリクスというものが出てきます。自分のタスクを4つのカテゴリーに分けて、意識しながらやることでどんどん生活が豊かになってくる不思議な表です♪
Aが緊急度・重要度が高いもの(子どもや自分の病院など)
Bは緊急度は低いけど、重要度は高いもの(これをやれば生活がうまく回ったり、人生が楽しくなるだろうな、でも今やってる時間ないな…というもの)
Cは緊急度が高いけど、重要度は低いもの(旦那さんのシャツアイロンとかやらなきゃだけど、やりがいがあまりないと思っているもの)
Dはどちらも低いもので分類します。
なるべく、C・Dを失くして、Aを少し減らして、Bを沢山やることで生活が豊かになっていきます。
ご希望でしたら、シート送りますので、挑戦してみてください☆
著作権;
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