双子・発達障害児の育児ブログ

8歳双子(女女)育児中の専業主婦です。自閉症スペクトラム、知的障害の我が子達の様子や施設の口コミ、書評などのブログです。よろしくお願いします。

アドラーの心理学 実践編④

子どもの話を聴く、話すを学んできました。

とにかく、子どもの言葉を繰り返す。肯定のメッセージ、対決のメッセージで私から話す…ということをしてきました。

 

さて、次に、子どもの課題と親の課題の共同課題になった場合に、どのように『話し合う』のかを学んでいきましょう。

 

1⃣平和的対立解決法

難しそうな方法ですが、簡単に言えば『意見がある2人の仲裁方法』です。

ここでは、わかりやすいように喧嘩している子どもの仲裁と考えてみましょう。

 

 

子どもたちの喧嘩、どんな風に関わっていますか?なるべくなら、喧嘩を避けたい。そんな風に思っていませんか?下の子どもを優先して、『〇〇ちゃんに貸してあげなよ。』『あなたは我慢しなさい。』

こんな感じで、仲裁してませんか?

 

しかし、このような仲裁は、さらに子供たちの喧嘩が増えると思っていてください。

 

さらに、

・ママへ信頼を失う→友人といるほうが心地が良い→家出。

・子どもが自分の気持ちを優先しない→自暴自棄→自傷行為。

・トラブルがあっても誰かほかの人のせいにする→社会でコミュニケーションが取れない→好きな職業につけない。

喧嘩の仲裁のやり方次第で、このような将来に近づいてしまいます。

 

そうならないために…

◆喧嘩の仲裁に入る時には『私は子供たちの通訳者だ』と思ってください。

『~しなさい』『~したら?』は禁句です。

 

*ママの精神状態が悪い時は、おやつやゲームで一旦落ち着かせてOKですよ!ママの気持ちに余裕のある時だけ実施してください。

 

やり方

①喧嘩をしている場面の間に入ります。

②片方ずつ意見と気持ちを聴き、『〇〇って思ったんだね。』と声かけします。

途中で、聞き手の方が話し手の話を遮ろうとしたら、『今は〇〇が話しているからとりあえず聴こうね。』といって、話し手が話し終わるまで待たせます。

③2人に対して『どうしたらいいかなぁ?どうやったら解決するかなぁ?』と問います。

④2人の落としどころを納得いくまで話し合います。

 

たとえば…

AとBがオモチャを取り合っている所に出くわしました。 

ママ『どうしたの?』

A『Aが使ってたの。Bに取られたの。』

ママ『Aが使ってたけど、Bに取られたんだね。』

B『ちょっと貸してって言ったじゃん。』

ママ『Bは貸してって言ったんだね。』

復唱しているだけで、子ども達から気持ちが出てくると思います。出てこない場合には、『Aはその時、どんな気持ちだった?』と聞いてみましょう。

 

A『でも、取られて嫌だった。』

ママ『そっか、取られて嫌だったね。Bはこれを貸してほしかったんだね。貸してって言えたね。』

B『うん。』

ママ『でも、取られてAは嫌な気持ちになったって。(2人に対して)どうしたらいいかな?』

A『先に使いたい。』

B『僕も先に使いたい。』

ママ『Aは何分使いたい?』

A『ん~5分ぐらい?』

ママ『じゃあ、長い針が9の所ね。Bは何分使いたい?』

B『えっと、30分ぐらい!でも、Aが5分なら待ってる』

 

何分使いたい?などはちょっとテクニックが必要ですが、具体的に子どもがやりたいことを言葉にしていくということを意識してみましょう。

もし、どちらも譲らない状況になっても、二人の落としどころを探る作業なので、正解はありません。

 

そんなやり取りが面倒で『先に使っててもいいよ』と言われるかもしれませんし、ずーーーーっと意見が平行線になるかもしれません。

 

しかし、敢えてそれを経験させるのです。『Bはこういう意見だけど、Aはこういう意見でこう思うんだな。』ということを学ばせるのです。

 

これからの社会は、人種も文化も違う相手と仕事をする場面も出てきます。多様性を認める社会が広がってくるでしょう。

そういった時に、お互いの落としどころを探る作業は必要不可欠だと思いませんか?

 

そして、さらに、そういうママに育てられた子ども自身が他の人たちの通訳者になれると思います。子どもたち自身で、トラブルを乗り越えていく力をつけることで、ママ達の出番は少なくなってくるでしょう。

 

ママがこのように子ども達の通訳者のような仲裁をしていると、パパも見習ってくれる場合もあります。

 

私たちは誰一人として同じ人はいません。1人1人意見があります。人が集まれば対立は絶対に起こりうることです。それが当たり前です。それを避けようとしても、またどこかでぶつかります。

 

お互いの気持ちを明確にして、どこに落としどころがあるのかを探る作業、子どものうちに経験させておくべきです。

 

ここまでの言語能力がない…と思う方もいらっしゃるでしょう。

そういう場合に考えられる方法は2つです。

①直接的に言語能力を上げる。(療育やリハでスタッフに相談しましょう)

②コミュニケーション能力を上げる。

(言語能力とコミュニケーション能力は違います。言語能力というのは、言葉の理解・表出のみで検査が測れるものです。コミュニケーション能力というのは、非言語も入ります。うなずきや間の取り方、絵カードを使ったり、音声に頼らない会話がまさにこれです)

 

もし、貸してが言えない場合は、ジェスチャーやサインを決めておいたほうがいいでしょう。ハプニングが起きた時、この子がどうやって言ったら(行動したら)、コミュニケーションが成立するのか?それを絵カードにしたり、サインやジェスチャーで表出方法を考えるという作業をします。ハプニングは、その子が『話したい内容』がはっきりしているのでコミュニケーションを考えるとてもいい機会になると思います。

 

ハプニングが起きた時こそ、絶対に1人で抱え込まないでください。療育の先生や幼稚園、保育園の先生でも誰でもいいので、このハプニングをシェアしてくださいね。すぐに言いたいって時は、メモ代わりに私にLINEしてください^^

 

次回は、話し合いの方法の2つ目『勝負なし法』という方法を学びましょう。

 

参考文献:

STEP(Systematic Training for Effective Parenting)セミナー

PET(Parent Effectiveness Training)セミナー

女性のための人間関係講座

オヤトコ発信所